一日の値

 

明日から師走

 

気付けば今年あと1ヶ月だなんて

 

いつも以上にあっという間で、

 

心身ともに落ち着きない日々を過ごした1年だった

 

きっと多くの方もそうでしょう

 

 

過去を振り返るな、という言葉がありますが

 

時に振り返らなければ、今ここはどこなのかわからないものです

 

その過ぎ去った日々、時間に捕らわれなければいいだけのこと

 

 

 

「あの頃は」「これまでは」と

 

呟いてしまうのは皮肉にもコロナ禍らしい

 

 

 

私は(ほぼ)毎日、写真にある葉書サイズの紙へ

 

何かしら書き留めるようにしている

 

それを日課とし、習慣化させて数年が経つ

 

 

思ったこと、感覚的に手が動いたこと、絵、言葉、

 

時に何かを貼ったり、媒体である紙を破いたり、

 

あまり深く考え込まずにパッと

 

「今」を書き残し、そして記録するための私なりの手段だ

 

 

でも、それを振り返ることはない

 

書くと、段々と溜まっていく

 

私から放出された アウトプットされた「何か」の蓄積

 

 

私の内側から吐き出すための行為の果てなので

 

それを、以降どうこうするという目的や意味はない

 

 

 

ある時から、誰かの役に立つかもしれないと思い立ち

 

個展という場へ並べて、作品とともに触れていただいて

 

気になる紙を差し上げるという術を始めた

 

 

減っては増え、減っては増え

 

 

 

つくることは結果的に辿りついた、今の生業だ

 

それ以外のことで

 

誰かの力になれるなら

 

お金も生まず、ただ居合わせて

 

なんとなく響いたものを手に取っていただけるのなら

 

これほど互いに救われるものはないのかなって

 

 

 

ものへ価値を与え、決めるのはそれぞれだし

 

高いも低いも同様にそれぞれであっていい

 

 

運命的にピタリと同じ一瞬を共有できたら、最高に素晴らしい

 

 

 

 

 

今宵は眩しすぎるほどの満月

 

車を走らせていたらライトのように目を奪われた

 

 

私は照らせるか

 

 

 

 

 

 

photo / 日々のドローイング、心のメモ colissimoにて